
「ルイ・ヴィトン」が日本の「牡蠣」を救う深いワケ(Gow!Magazine) - エキサイトニュース
ルイ・ヴィトンの恩返し
今から40年前の昭和46年。
フランス名産である、ブルターニュ地方の牡蠣がウイルス性の病気で壊滅状態となりました。
当時、フランス国内の生産量のうち97.5%を占めるアンギュラータ牡蠣が寄生虫類に犯され、5000軒を超える牡蠣生産業者に9000万ドル(約70億円)の損害を与えました。
日本同様、いえ、それ以上にフランスでは牡蠣が愛されています。特に生牡蠣は大人気です。
事態を重く見た牡蠣生産業者は、日本の代表的な牡蠣の品種であるマガキの輸入を検討し始めました。その一つが宮城県の北上川河口で生産された種牡蠣です。
こうして宮城県からフランスへ、3300トン(約7億5千万円相当)の種牡蠣が輸出されました。そして、今日ではフランスでは、在来種に変わってマガキが生産量が90%を占めるようになっています。フランスの老舗メーカーであるルイ・ヴィトンは40年前に受けたこの恩を返したというわけです。
ルイ・ヴィトンの5代目当主、パトリック・ルイ・ヴィトンさんも、大の生牡蠣ファンだっため当時のことは鮮明に覚えているそうです。
日本とフランス、ルイ・ヴィトンとの強い絆は現在にまで脈々と受け継がれており、そのような理由もルイ・ヴィトンが牡蠣生産業者の再起を手伝うきっかけとなったようです。…
畠山さんは、養殖場も「復興しているであろう再来年には美味しい牡蠣を食べさせる」とパトリックさんと固い約束を交わしました。もちろん、ルイ・ヴィトンは快諾しました。「そのときは愛用のナイフを持っていきますよ!」と述べて。
日本大好きのフランスから熱い支援
このような温かい支援は、実はルイ・ヴィトンだけではなく、フランス全土から集まっています。
フランス国立基金からも三陸牡蠣復興支援として、約20万ユーロ(2200万円)の支援を受けました。
女性向けのファッションや美容についてのフランスの情報サイト「madmoizelle.com」でも、日本に在住していたフランス人の女性が、震災の時に帰国し、日本の現状を伝え、どのような支援をできるか訴えました。
日本とフランスの文化交流は深く、日本の文化をテーマにした博覧会「ジャパンエキスポ」には20万人以上の人々が訪れています。フランスでは漫画、アニメ、ゲーム、映画、ファッションといった日本の文化コンテンツが大人気で、こうした交流はますます盛んになっています。
震災で失ったものは非常に大きいですが、こうした海外からの多くの支援に日本が助けられていることに再度気付かせてもらえました。震災の援助を申し入れた国は世界で163ヵ国以上にものぼります。
この冬からは、ルイ・ヴィトン製(!?)の牡蠣を感謝しつつ堪能しましょう。