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原発は、核分裂反応によって発生する熱で水を水蒸気にかえ、その水蒸気でタービンを回して発電します。その後、水蒸気を冷却して水に戻すのが復水器で、冷却には海水が使われます。電気出力100万㌔㍗級の原発の場合、毎秒70~80トンはどの海水を使います。 もし運転中に冷却ができなくなると、炉心が溶け出すなどの重大事故につながる恐れがあります。 大地震発生時は、原子炉を停止することになっています。しかし、原子炉を停止しても、冷却用の海水が必要なくなるわけではありません。炉心では、核分裂反応で生成した放射性物質が出す「崩壊熱」が発生し続けるからです。1979年に米国で起きたスリーマイル島事故では、崩壊熱が除去できず、炉心溶融に至りました。 崩壊熱を除去するために使われるのが、機器冷却用海水です。100万㌔㍗級の原発では、毎秒2~3トンほどの海水が使われています。 海水は、岸壁や沖合に設置された取水口から取り込まれ、ポンプで冷却設備に送られた後、温排水となって再び海へ排出されます。図は、冷却設備の一例です。炉心の崩壊熱は、熱交換器を通して「余熱除去系」から「原子炉機器冷却系」、そして海へと逃がされています。 (via 全原発への警告)