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- Intelligence History in WW2
2008-10-24 (via reretlet) (via uessai-text) (via dotnuke, petapeta) 2009-09-30 (via gkojax-text) (via yaruo)
【質問】
第2次大戦中,日本軍は通信傍受だけでも,米軍の行動の予測が出来ていた,というのは本当ですか?
【回答】
暗号本文は読み出せなくても,発信符号とか発信系図をつくると,ぼんやりと敵の意図が見えてくるんだよ.
沖縄周辺で米潜水艦がさかんに偽電を発信して,ハワイ,サイパン方面でしきりに上陸船団編成と思われる指令発信と受領発信がくりかえされる.
「すわ沖縄上陸か?」
と皆,思うんだけど
「でも受領発信は海兵隊ばかりで陸軍の返信がない.
沖縄のような巨大な島を海兵隊だけで攻略するだろうか?」
と分析し,
「硫黄島じゃねえの?」
と分析する.
見事だと思った.
岡本喜八『沖縄決戦』でも昭和20年4月1日,沖縄現地部隊の敵信傍受班が
「今朝未明より,米軍は(HQ→各部隊へ)戦術呼出符号を呼び出し始めたり」
「右は硫黄島上陸,3時間前に告示しありて」
「今朝,敵は沖縄上陸を決行する算,きわめて大なり」
と分析.
こういうこと.
情報理論だと,つまり平文(作戦準備のさまざまな現象.船団の集積や部隊編成や通信量の多寡)があって,それにノイズ≒疑似乱数(別方面での偽電発信や,偽の船団編成の通信.本当の侵攻部隊は作戦発起時,通信を封鎖するから,減少した分の別な偽信発信)を被せると,全体が暗号化(混沌として作戦意図が敵から見えなくなる)されるんだけど,どうしても人間のする事だから,疑似乱数=偏差(前述,陸軍の発信がない)が起きる.
その偏差をみて,分析官は敵の意図を見破るわけ.
保険会社が統計的手法で,保険詐欺と本当の事故や盗難,偽装自殺を見破る手法もこれなんだが,まあそれは余談.
”- Intelligence History in WW2
2008-10-24 (via reretlet) (via uessai-text) (via dotnuke, petapeta) 2009-09-30 (via gkojax-text) (via yaruo)