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ウニの歯をモデルにした「永久に研がなくてよい刃物」が登場するかもしれません - GIGAZINE
ウニの歯は常に伸び続けているバイオミネラル(生体により作られる鉱物)で、プレート状と繊維状の2つの形状のカルサイト(炭酸カルシウム)の結晶が交差するように配置され、非常に硬いカルサイトのナノセメントにより接着された構造になっています。
結晶と結晶の間にはカルサイトほど硬くない有機物の層があり、歯が欠ける時には必ずこのもろい部分で欠けるようになっているそうです。つまり、あらかじめ「くだける場所」を戦略的に配することにより狙い通りの形状に欠ける仕組みで、欠けるたびに自らを研いでいるとも言えます。Gilbert教授はこの仕組みを「破線の切れ込みの入った紙」に例えています。
今回の発見は、人間の工具作りに応用できるかもしれないとGilbert教授らは考えているそうです。「今回解明されたウニの歯が鋭さを保つ仕組みと同様に、使用とともに研ぐことができる刃を作り出すことも、理論的には可能です」とGilbert教授は語っています。