今年はいよいよNANDフラッシュベースの記憶デバイスがブレイクしそうです。2008年はSSDがHDDに代替しうるというプルーフ・オブ・コンセプトが示された年でしたが、今年こそは価格性能比が接近・交差し、本格的な普及期に入るのではないかと見ています。
今までSSDといっても実効速度ではHDDとあまり変わらないイメージでしたが、今後ExtremeFFSなどの登場によってその差は10-20倍へと拡大し、ボトルネックはインターフェースへと移っていくでしょう。そのあたりの課題がクリアされてくれば、いずれ100-200倍の達成も夢ではなさそうです。ムーアの法則は健在ですね。
また、あっという間に32GBというSDHC規格の最大容量に達してしまったSDカードに、SDXCという次世代企画が浮上しました。これで最大容量はなんと2TB、最大転送速度は300MBになります。すごっ。2TBといえば、今市場で買える3.5インチHDDの最大容量と同じぐらいですが、それがあのちっちゃいSDカードのサイズに収まるってことです。価格も、どのぐらいかかるかわかりませんが、経験上、いつか必ず1万円を切るでしょう。
いやほんと、すごいことになると思いますよ。
コンピュータサイエンスの世界では、主記憶と外部記憶の速度差が圧倒的にある(時代にもよるけれど現代ならnsとmsの差、つまり約100万倍)ということを前提にさまざまなモデルが構築されています。しかし、この差異が年々対数オーダーで減少していくとすれば、それは量が質に化けるだけのインパクトを持っており、数年以内に根本的に再設計されたアーキテクチャが求められるようになるのでは?とさえ思えます。
極端にいえば、メモリとHDDという区別がなくなり、メモリのように高速で、HDDのように大容量で保存が可能で、かつSDカードぐらい小さくてポータブルな「記憶装置」を使う時代がきたとすれば何が起きるか?を想像してみるといいと思います。まぁ、そこまでいくのはだいぶ先の話ですけど。
それにしても、このご時世に「1年で20倍」とかいう景気のいい数字は気持ちがいいですね。いや、半導体業界の皆さんが(例によって)死ぬ思いをしてるおかげだというのはわかってるんですけど。ソフトウェア技術者としてもユーザとしても、カギとなる要素技術の変化だけは見逃さないようにしたいものですね。
”- いよいよSSD元年:江島健太郎 / Kenn’s Clairvoyance - CNET Japan (via gkojax, kml-deactivated20090622)
2009-01-12 (via gkojay) (via konishiroku)