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ブルース・リーのヌンチャクというと、一般的イメージは、黒光りする棒に鎖のついたものだと思う。
しかし、「死亡遊戯」では、色もトラックスーツに合わせた黄色地に2本の黒ライン。しかも、いつもの鎖ではなく、なんとヒモのヌンチャクなのだ!
この辺のブルース・リーのトータルファッション的センスは、本当にカッコイイと思う。
まぁ、プライベート写真を見ても、彼が相当なおしゃれさんであったのがわかるのだが・・・。
で、敵役のダン・イノサントも黒の道着に赤いハチマキ・・・その赤ハチマキに合わせてヌンチャクもなんと赤色だ。
しかも、やっぱりヒモなのだ!
これは、一体どういうことなのか?
単にファッション的なものを狙っているだけではないと考えられる。
俺は、80年代の西本商事が発行していた、「GREAT DRAGON」という会報を保存しているが、それの記事の一部に面白いものが載っていたので紹介しよう。
なんと、あの塔には、金属探知機が仕掛けてあったのだ。
金属を一切持ち込めないと記されていた。
俺は、この記事かなり信憑性があると考えている。
「死亡遊戯」は、もともと「燃えよドラゴン」のような現代劇になったはずで、やはり現代で一番身近にあるもので、てっとり早く強いものは?と聞かれれば、やはり”銃”なのである。
ブルース・リーでさえ、「燃えよドラゴン」の中で言っていた。
そう、この現代を舞台に、格闘技映画を作るならば、必ず”銃”の存在を避けることは出来ないのだ。
「ドラゴンへの道」でも、あの「ピョウ」という投げ矢で応戦していたし、「燃えよドラゴン」では、あの要塞島自体を、銃の持込が禁止という設定にしていたから”素手”での格闘の意味が理解出来る訳だ。
「死亡遊戯」も「燃えよドラゴン」に比べればスケールは多少小さくなるが、あの塔内を銃の持込禁止という設定にすれば、おのずと世界最強の格闘家が、あの塔に待ち構えているのも納得出来る。
さらに、金属探知機までついているとあれば、銃どころか、金属である鎖のついたヌンチャクまで持ち込むことが不可能になってくる訳だ。
このブルース・リーのきちんとしたこだわりこそが、他の「新・死亡遊戯7人のカンフー」だとか、「決闘死亡塔」などのバッタモノ映画と違うところでもある。(どのバッタモノ映画も鎖のついたヌンチャクでカンタンに塔内に入れちゃう・・あんなムダな闘いをしないで、銃を持って行った方が、てっとり早く敵を倒せるのに・・)
ここまでしっかりとした考えを持って映画作りをしていたブルース・リーは、本当に偉大であり、優れた監督でもあったのだ!
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BRUCE LEEの部屋 第7の部屋 (via mcsgsym)