凶悪事犯から見ていくと、殺人、強盗、強姦といった強い暴力が伴う事件は大幅減。ところが粗暴犯のくくりでは減っていない。暴行が増えているのである。暴行は傷害にあたらない、つまり怪我させない程度の暴力であり、暴力的な犯罪の中では最も軽微な類である。暴行が増えたのは、これまで見過されていた犯罪がカウントされはじめたという疑いがある。細かく見ていくと、親族間の暴行が激増している。DVと児童虐待である。確かに、以前は見逃されていた現象が事件化した面はあるだろう。しかし、実際に事件が多発しているのも本当のように思われる、つまり半分本当のような状態と推察する。
殺人によって死亡した人員は10年で3分の2になっているが、内訳が興味深い。殺人の被害者は、男性が多いのが常識であったが、男性の殺人被害者の死亡者数は、10年で半減している。それほど減らなかった女性の被害者数が男性をしのいで多数派となってしまった。また、殺人は、過半数が家族内で発生するものであったが、親子間殺人数は変化なし、配偶者は減少、合わせるとそれほど減っていない。それに対して、最も減ったのが、知人友人間である。知人友人間は、男同士の喧嘩が含まれるが、これが大幅減のようである。
強姦を見ると、若い世代が激減、特に、10代20代の強姦犯は少ない、凶悪事件だけでなく、全てにおいて、高齢者の犯罪が増えて、少年や、若者の犯罪が減っている。
”- 犯罪急減の正体 犯罪しない若者たち - WEBRONZA+社会・メディア - WEBマガジン - 朝日新聞社(Astand) (via igi)