- 侍ジャイアンツ - Wikipedia
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ジーパンに汚れてもよさそうな(もしくは軽く汚れた)シャツ、スニーカーの「見るからに疲れていそうな母親スタイル」の、中高年女性ウケは最高だ。「大変よね、でもきっといまが一番かわいいのよ」なんて、過去の育児を振り返りながら、ニコニコと話しかけてくれる。 いっぽうで、中高年男性ウケはひどく悪い。 疲れている、弱そうに見える控えめな格好は、(ごく一部の)男性の加虐心でもあおるのだろうか。 広い通路でわざわざこちらに寄って体当たりしてきた人もいたし、1列しか乗れない狭いエスカレーターで、子どもが邪魔だと突き飛ばしてきた人もいた。
逆に、タイトスカートに少しだけヒールのあるパンプスを履いて歩く「イマドキな母親スタイル」の、中高年女性ウケは最悪である。 なにか害を加えたわけでもないのに、エンカウントした途端に「いまどきの母親は」から始まる説教をぶつけてくる女性に遭遇する確率の、なんと高いことか。 いっぽうで、中高年男性ウケはとてもよく、中高年女性による理不尽な説教をさえぎってくれることさえあった。それも、何度も。
”あなたのマイナンバーは届いたかな?
実は僕、皆さんより一足先にマイナンバーを持っているんだ。なんと44年前からね。
ということで今回は"マイナンバーの先輩"として色々話させてもらいましょう。
もちろん、僕が持っているのはアメリカのものだから、正確にいうと「マイナンバー」ではない。アメリカの場合はSocial Security Number(社会保障番号、略してSSN)と呼ばれている。
考えてみれば英語で「マイナンバー」とは「私の番号」という意味。"Can I have your my number?“(あなたの私の番号を教えてください)は、結構ばかばかしいセンテンスとなってしまう。日本の役所の方々は英語でやり取りするときはどう対応するのかな?
時は1936年、大恐慌の真っ最中だった。ニューディール政策の一環として発足した社会保障プログラムに合わせ、SSNは発行された。当時は年金の管理用だったが、徐々に用途が拡大。税金を払ったり、仕事をしたり、銀行口座を開いたり、クレジットカードを申し込んだり、大学に通ったりする際になど、アメリカの生活上のあらゆる場面でSSNが必要となった。
僕が初めて来日したとき、こういう番号制度がないことにかなり驚いた。首都圏では全駅が自動改札。便座が暖かい。自動販売機がしゃべる。色々な面で世界の文明国をリードしているのに、国民番号がないなんて!
マイナンバー制度の利便性はわかりやすい。管理がしやすくなるだけではなく、国民が得することも多い。たとえば、厚生労働省と財務省の連携がスムースになったら、脱税の取り締まりが進み、税収が増える見込みとなる。その税金の使い方が正しければ国民が喜ぶ。また、厚生労働省と法務省の連携によって不法労働者の取り締まりも進むはず。正規に働いている人にとっての雇用条件が良くなれば、また国民が喜ぶ。たとえば、労働資格を持っていない外国人が日本でお笑い芸人になったら、僕は取り締まってほしいと思う。まあ、そんな人はいないと思うけどね。厚切りジェイソンさんとかは絶対大丈夫だ!…と思うけど。
マイナンバーの先輩である僕は、利点をよくわかっているつもりだ。しかし、番号制度の暗黒面も痛感している。というのは、アメリカではSSN制度のもとでidentity theft(身元窃盗=成り済まし詐欺)が蔓延しているからだ。
identity theftは、制度が生まれたばかりの頃から始まっている。有名なのは1938年の出来事。ある財布メーカーが、新作財布のカード入れにダミーのSocial Security Cardを入れて販売することにしたのが発端だ。そのカードに載っていた番号は社長の秘書ヒルダさんのSSN。つまり、本物だった!
全国のチェーン店で財布が発売になった瞬間から、詐欺事件が頻発。当時はSSNに対する知識も浅くて、「お財布を買えばこのSSNがもらえるんだ~」と勘違いした人も含めて、ヒルダさんのSSNを誤使用した人は全部で4万人を超えたらしい。全国各地が偽ヒルダだらけになった。
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その後もidentity theftは増える一方だ。詐欺師の手に渡ったら、さまざまな場面でSSNが悪用されてしまう。
たとえば、金融関係。盗んだSSNで銀行口座を開いたり、クレジットカードを作ったりできる。小切手やカードで買い物したあと、請求書はSSNの持ち主、つまり被害者に届く。SSNが盗まれたことに気づくのはそれを見た瞬間のこと。「あら? 俺、車を買っちゃった? 運転免許もないのに?」とか、「あら、ジャスティン・ビーバーのコンサートチケット?」とか、ありえない買い物で初めて発覚するようだ。
また、毎年春には詐欺師が成り済まし確定申告をするのが恒例行事。勝手に住所変更手続きをし、税務署をだまして還付金を受け取るという手口だ。もちろん当該の還付金は被害者に届かない。また、年金の場合も、本人より先に申し込んで同様に住所変更し、給付を代わりに受け取るという手口がある。素早く手続きや申告を済ませる詐欺師のマメさにもびっくりするが、大変な被害だ。
医療関係でも詐欺が多い。病院で成り済まして治療を受けることもある。もちろん請求は被害者へ。さらに恐ろしいのは、被害者の治療歴が変わってしまうこと。たとえばアレルギーや血液型が記載されてしまったら本当に危険。
でも、これに限っていえば、日本はマイナンバー制度による危険性は増えないはず。日本では保険証に顔写真が載っていないから、もともと成り済ましのリスクにさらされている。安心だね!
identity theftに遭ったら、解決の責任は被害者にあるのも厄介だ。請求先、病院、銀行、政府などとやりとりしなければならない。解決するのに数年かかったりするらしいし、その間、ローンを借りたり、カードを作ったり、家を買ったりするのは大変困難になるという。
そこで立ち上がったのが、identity theftから守ってくれる会社。有名なのは、顧客を詐欺から守り、万が一詐欺に遭っても100万ドルの補償金を約束するLifeLock社だ。大胆な広告手法をとり、社長の顔写真とともに本人のSSNを堂々と看板やウェブサイトに載せた! 普段は考えられない、あまりにリスキーな行動だけど、それぐらい自社の保護サービスは安心できると社長は身体を張ったわけだ。
ちなみに、広告の効果が抜群だったのか、社長はこれまで13回も詐欺被害に遭っているという。どうやら自分すら守れていない様子。しかも広告の内容が虚偽だとされ、1200万ドルの罰金を科された。お前が詐欺師じゃん!
アメリカ政府も国民を守れているとはいえない。毎年数百万人ものアメリカ人が被害に遭っている。しかもそのSSNが悪者の手に渡るのが、政府のせいだったりすることも度々。日本でも6月に日本年金機構のパソコンから125万人分の個人情報が流出したよね。これもひどいけど、ここでもまた、先輩アメリカの方がすごい。7月に政府のデータベースから2100万人のSSNが盗まれた。
「どうしてくれるんだ」って? これが、何もしてくれないんだ。
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実際に悪用されたことが証明できるまでは新しい番号を発行してもらえない。こうした実態を受けて、Social Security Number(社会保障番号)をSocial Insecurity Number(社会不安番号)と呼ぶ人もいる。主に駄洒落好きなオヤジだけどね。
日本でのマイナンバー制度導入の前に、先輩としていくつかの疑問を挙げたい。
・国民を管理するのには便利だが、管理している側を誰が管理するのか?
・番号一つでどこまで個人情報を引き出せるようになるのか?
・詐欺に遭った被害者はどう対処されるのか?
・そもそも詐欺防止対策はどうなっているのか?
僕は、この最後の疑問が一番気になる。確かに日本のカードには希望すれば顔写真が載ったり、ICチップが埋め込んであったりして、ちょっとは進化している。だが、今のご時世、番号が書いてある紙一枚を持ち歩くようにするなんて! プライバシー保護のために、21世紀の技術をもっと使う手はなかったのかな? 暗証番号があってもいいかもしれないし、二次元バーコードやQRコードにできるかもしれない。スマートフォンの中に保管するようにしたらロックをかけることもできるかもしれない。
そもそも「スーパーのレジに提出する」という話が出た時点で、マイナンバーの恐ろしさを理解していないと感じる。
確かに世界に比べれば国民番号制度を導入するのが遅いけど、それはある意味チャンスだ。先輩がいる分、成功例や失敗例の資料がいっぱい揃っている。ちゃんと参考にしてほしい。
世界に倣う前に、習うべきだ(僕も駄洒落好きなオヤジだね)。
先輩からは以上です。
「彼氏と付き合いつつ次の男を見つけ次第乗り換えて別れる女」を軽い女だと叩く世間の風潮に対して女友達が言った、「転職先の目処も立てずに仕事辞めるほど無計画じゃねえんだよ」ってセリフ、最高にロックだ。
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